アパレル会社のMDに始まりデザイン事務所、広告代理店など数社勤めた経歴をもつ村上。入社のきっかけは、以前の上司と一緒に仕事をした際に引き抜かれた。入社2年目にして課長は異例の出世である。
そんな彼の仕事法は、机にいる日といない日をつくること。
机にいない日の来客数は多いときで6人、会議も6件。一気に打ち合わせ、次の日の宿題は持たない。
机にいる日は、ひたすらデスクワークをし、打ち合わせなどで決定したことを一気にまとめる。デスクワークにオンとオフをきちんと分け、来客には来客モード、書類作成にはデスクモードと頭を切り替えている。

村上は、細かい気遣いを欠かさない。
たとえば、相手が煙草を吸うまで自分は吸わない。また、メーカーとの打ち合わせに出席するメンバーが全員眼鏡をかけていた時、怪しい集団と思われないよう眼鏡を外して打ち合わせに挑んだ。小さなことに気づく力は、謙虚な村上だからこそ為せるワザである。
海の家の開催や渋谷の一等地に大きな看板を出すなど、AV流通会社には難しいと思われていたことを、次々と手がけてきた。それは、今まで培ってきた人脈があったからこそ実現できたことだ。村上の幅広い人脈は、この気遣いによって築かれてきたといっても過言ではない。

なんでもやっちゃう課、それが販促課だ。
会社のプロモーションの組み立てや商品の魅せ方を考え、メーカーとデザイン会社、デザイン会社とエンドユーザーの間にはいり、円滑に仕事が進むようにすることが主な仕事である。
こうしたら効果的なプロモーションになる! と思えば、人・モノ・場所・アイデア、あらゆるものを提案・手配する。その際、村上が培ってきた人脈が役に立つのだ。初めてづくしのことでも、村上は躊躇しない。
「難しいことをやって、できて“ほらね”って思えたら単純に嬉しいじゃないですか。やってできないことなんて、意外と少ないですよ」
ふだん謙虚な村上も、この時ばかりは自信に満ちあふれていた。